相続登記とは?義務化の期限・必要書類・手続きの流れ
相続登記とは、土地や建物の所有者が亡くなったときに、不動産の名義を相続人へ変更する登記です。
2024年4月1日から相続登記は義務化されました。売却予定がなくても、対象となる不動産を相続した場合は期限を確認する必要があります。

相続登記はいつまでに必要?
相続により不動産を取得したことを知った日から、原則として3年以内に申請します。遺産分割が成立した場合も、その成立によって不動産を取得したことを知った日から3年以内に、その内容を反映した登記が必要です。
正当な理由なく申請を怠ると、10万円以下の過料の対象になる可能性があります。詳細は[法務省「相続登記の申請義務化に関するQ&A」](https://www.moj.go.jp/MINJI/minji05_00565)で確認できます。
2024年4月より前の相続も対象
義務化前に発生した相続で、登記が終わっていない不動産も対象です。原則として、2027年3月31日まで、または不動産を相続したことを知った日から3年以内のいずれか遅い日までに対応します。
2026年8月時点では、この経過措置の期限まで1年を切っています。昔の相続だから対象外とは考えず、登記名義を確認してください。
相続登記の基本的な流れ
- 登記事項証明書で名義と不動産を確認する
- 戸籍を集めて相続人を確定する
- 遺言書の有無を確認する
- 必要に応じて遺産分割協議を行う
- 登記申請書と添付書類を準備する
- 不動産所在地を管轄する法務局へ申請する
遺言、法定相続、遺産分割のどれに基づくかで必要書類が変わります。
主な必要書類
- 被相続人の出生から死亡までの戸籍・除籍謄本
- 被相続人の住民票の除票または戸籍の附票
- 相続人の戸籍謄本
- 不動産を取得する人の住民票
- 遺言書または遺産分割協議書
- 相続人の印鑑証明書(遺産分割の場合)
- 固定資産評価証明書など評価額が分かる資料
- 登記申請書
事案により追加書類が必要です。法定相続情報一覧図を利用すると、複数の相続手続きで戸籍一式の提出負担を減らせる場合があります。
遺産分割がまとまらない場合
遺産分割が期限までにまとまらないときは、「相続人申告登記」を利用して申請義務を簡易に履行できる場合があります。ただし、これは最終的な名義変更ではありません。後に遺産分割が成立したら、その内容に基づく登記が別途必要です。

相続登記をしないと困ること
- 売却や担保設定を進められない
- 相続が重なり、関係者が増える
- 必要な戸籍収集や協議が複雑になる
- 空き家の管理・処分方針を決めにくい
- 過料の対象になる可能性がある
不動産を売る場合、原則として登記名義を現在の所有者へそろえる必要があります。売却相談と相続登記の準備は並行して進められます。
費用
登録免許税は、原則として固定資産税評価額を基に計算します。このほか、戸籍等の取得費、郵送費、司法書士へ依頼する場合の報酬がかかります。相続関係や不動産数により異なるため、個別に見積りを確認してください。
よくある質問
自分で申請できますか?
可能です。ただし、古い相続、数次相続、相続人が多いケース、遺言や協議内容の判断が必要なケースでは司法書士への相談を検討しましょう。
空き家を売却してから登記できますか?
通常は相続登記を行い、売主となる人へ名義を移してから売却の所有権移転登記を行います。
相続放棄をした人も登記が必要ですか?
相続放棄が受理された人は初めから相続人でなかったものと扱われます。ただし他の相続人や管理の状況に影響するため、書類を保管し専門家へ確認してください。